何が起きたか
公式ドキュメント「Output styles」を確認したところ、Claude Codeには標準で5種類の出力スタイルが用意されています。既定のDefaultに加え、確認を挟まず即座に実行する「Proactive」、実装の意図を解説付きで進める「Explanatory」、ユーザー自身にコードの一部を書かせる「Learning」、そして今回追加された「Concise」です。Conciseの説明には「Claudeは結果を先に示し、前置きと実況を省き、既定で短い応答を保つ。ただしエンジニアリング作業自体はDefaultスタイルと同じ深さで行う」と明記されています。詳しい説明や理由を求めれば、その場で詳細に答える仕様で、エラー報告やセキュリティ警告、破壊的操作の確認については、常に内容を省略せず表示するとされています。
切り替え方法は、ターミナルでは`/config`から「Output style」を選ぶか、設定ファイルに`"outputStyle": "Concise"`と直接記述する方法があります。変更が反映されるのは`/clear`実行後か次回セッション開始時で、既存のセッション内で即座には切り替わりません。
公式ドキュメントは、出力スタイルと似た働きを持つ他の仕組みとの違いも整理しています。CLAUDE.mdはシステムプロンプトの後にユーザーメッセージとしてプロジェクトの前提知識を追加する仕組みです。`--append-system-prompt`は単発の呼び出しにシステムプロンプトを追記する仕組み、エージェントは独立したシステムプロンプトを持つサブタスク実行者、Skillは呼び出されたときだけ読み込まれる再利用可能な手順書とされ、出力スタイルはこれらと異なり「毎ターンの応答の役割やトーン、既定フォーマットそのもの」を変える仕組みだと位置づけられています。トークン消費への影響にも言及があり、システムプロンプトへの指示追加は入力トークンを増やす一方、ExplanatoryやLearningは応答が長くなる設計のため出力トークンが増え、Conciseは逆に既定で応答を短くするよう指示するため出力トークンを抑える方向に働くとされています。
実務にどう効くか
当メディアの運営元は117名を超えるAI社員組織を運用しており、各AI社員の報告文体は文章規範のSkillで統一する運用をとっています。今回の整理で参考になるのは、「文体やトーンを変えたいなら出力スタイル、プロジェクト固有の前提知識を常に持たせたいならCLAUDE.md、単発の指示追加なら`--append-system-prompt`」という役割分担が公式に明文化された点です。作業実況やまとめの冗長さに困っている場合、既存のCLAUDE.mdやSkillに文体指示を書き足す前に、Conciseスタイルへの切り替えで解決できないかを先に検討する価値があります。
注意点として、出力スタイルはメインの会話にのみ適用され、サブエージェントは自身のシステムプロンプトで動くためスタイルが引き継がれない仕様です(親の会話をそのまま複製する「フォーク」は例外)。複数のサブエージェントに指示を出す運用では、Conciseに切り替えても子エージェントの応答量までは変わらない点を踏まえておく必要があります。
編集部の見立て
作業の実況や前置きを削るだけの機能に見えて、地味に効くのは「エラー報告やセキュリティ警告、破壊的操作の確認は省略しない」という例外規定を最初から組み込んでいる点だと見ています。応答の簡潔さと、安全に関わる情報の網羅性を両立させる設計になっており、単純な「詳細さの切り替えスイッチ」ではなく、削ってよい情報とだめな情報をあらかじめ線引きした機能だと理解すると使いどころが見えやすくなります。
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