何が起きたか
公式のChangelogによると、2026年9月4日リリースのv2.1.261に「`/skill-doctor` to show which loaded skills go unused and what they cost in context, so you can prune them」が追加されました。公式ドキュメントのSkillsページでは、実行結果の表示先が対話セッションでは`/plugin`マネージャーのStatsタブ、`-p`を付けた非対話モードではテキスト出力になると説明されています。
レポートの対象は、同梱Skillとエンタープライズ向けSkillを除いた、そのセッションのSkillです。一度も呼び出されていないSkillには印が付き、無効化の場所が併記されます。最近使っていないプラグインの一覧も同時に出ます。
使えない条件も明記されています。v2.1.252以降が必要で、機能フラグの取得を行わないセッションでは利用できません。スマートフォンやブラウザからRemote Control経由で実行した場合は`Skill usage reports are not available on this connection.`が返るため、セッションが動いている端末のターミナルで実行する必要があります。
実務にどう効くか
ここまでSkillの整理は、勘と手作業でやるしかない領域でした。どのSkillが実際に呼ばれているかはログを追わないと分からず、コンテキストをどれだけ食っているかは推測するしかありません。`/skill-doctor`はその2つを数字で出し、しかも「これは一度も使われていない」と名指ししてくれます。棚卸しの判断材料が、感覚から計測に変わったという点が実務上の変化です。
あわせて、公式ドキュメントのSkillの読み込みに関する記述も確認しておく価値があります。Claude CodeはSkillの名前と説明文の一覧をコンテキストに読み込みますが、この一覧には常にすべてのSkill名が入り、数が多い場合は説明文のほうが文字予算に収まるよう短縮されます。その結果、リクエストとの照合に必要なキーワードが説明文から落ちることがある、というのが公式の説明です。予算はモデルのコンテキストウィンドウの1%とされています。
これは前回の記事で紹介したコミュニティ記事の説明とは食い違う部分があります。あちらは予算を約2%とし、Skillそのものが一覧から脱落する現象として書いていました。公式の記述に従えば、脱落するのはSkill名ではなく説明文の情報量であり、症状としては「登録したのに呼ばれない」で同じでも、原因の説明が異なります。運用の判断は公式ドキュメント側の説明に合わせるのが妥当です。
編集部の見立て
`/skill-doctor`が出たことで、Skillを増やす運用と減らす運用が同じ土俵に乗りました。これまでは追加だけがコマンド一発で済み、整理は人の判断に委ねられていたため、放っておけばSkillは増える一方でした。使われていないSkillを機械が名指しする手段があると、削る側にも根拠が生まれます。
ただし、このコマンドが返すのは実行した1セッションの利用状況です。月に数回しか出番のないSkillは、その日のレポートでは使われていないSkillとして並びます。名指しされたからといって機械的に無効化すると、必要なときに手元にない状態を作りかねません。当メディアの運営元でも30を超える社内Skillを運用していますが、レポートは判断材料であって判断そのものではない、という前提で扱うつもりです。何回か時期を変えて取ると、使用頻度の実態はもう少し正確に見えるはずです。
もうひとつ、Remote Control経由では使えないという制約は、実際の運用では効いてきます。外出先から様子を見る使い方が広がっているなかで、この手の診断はセッションが動いている端末に戻らないと取れません。定期的な棚卸しを仕組みにするなら、実行する端末と時期をあらかじめ決めておく必要があります。
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