複数のコーディングエージェントで共通の指示ファイルとして使える「AGENTS.md」という規格に、Claude Codeを対応させてほしいというコミュニティの声が続いていました。公式ドキュメントを確認したところ、この論点への回答が明記されています。「Claude CodeはCLAUDE.mdを読み、AGENTS.mdは読まない」という原則と、両方を共存させるための公式の手順です。

何が起きたか

公式ドキュメント「How Claude remembers your project」のAGENTS.mdの項には、次の一文があります。「Claude Codeは`CLAUDE.md`を読み、`AGENTS.md`は読まない。リポジトリで他のコーディングエージェント向けにすでに`AGENTS.md`を使っている場合は、それをインポートする`CLAUDE.md`を作成すれば、内容を重複させずに両方のツールへ同じ指示を読み込ませられる」という内容です。

具体的な方法も2つ示されています。1つは、`CLAUDE.md`の中に`@AGENTS.md`という1行を書き、その下にClaude Code固有の指示を追記する方法です。もう1つは、Claude向けの追加指示が不要な場合に使えるシンボリックリンク(`ln -s AGENTS.md CLAUDE.md`)です。ただしWindows環境ではシンボリックリンクの作成に管理者権限またはDeveloper Modeが必要なため、公式ドキュメントは`@AGENTS.md`によるインポート方式を推奨しています。

あわせて、`/init`コマンドに`CLAUDE_CODE_NEW_INIT=1`という環境変数を設定した場合、`AGENTS.md`や他のツール(Devin、Windsurf、Cline)の設定ファイルも読み込んでCLAUDE.mdの生成に反映する挙動が用意されていることも確認できました。また、`/import`コマンドを使うと、`AGENTS.md`を含む他のコーディングエージェントの設定を、MCPサーバーやコマンド、サブエージェント、Skillごとまとめて一度だけCLAUDE.mdへ取り込めるとされています(Claude Code v2.1.213以降が必要)。

実務にどう効くか

当メディアの運営元は117名を超えるAI社員組織を運用しており、CLAUDE.mdは各部署・各社員の人格定義や業務ルールを持ち歩く土台になっています。他のコーディングエージェントを併用する予定がない環境であれば、今回の話は直接の影響はありません。一方で、Cursorやその他のツールと併用していて`AGENTS.md`側にも指示を書いている場合、指示が二重管理になっていないか確認する価値があります。

公式が示す設計は「本体は`AGENTS.md`に置き、`CLAUDE.md`はそれをインポートしてClaude固有の指示だけを追記する」という一方向の構成です。逆方向、つまり`CLAUDE.md`側を本体にして`AGENTS.md`に取り込ませる構成は今回のドキュメントでは扱われていません。複数のツールを横断して同じ指示を保守している現場では、どちらのファイルを正本にするかを先に決めておかないと、更新が片方だけに反映されて食い違う事態が起きやすくなります。

もう一点、`@`によるインポートには制約があります。インポートの解決先が作業ディレクトリの外にある場合は「外部インポート」として扱われ、初回に承認ダイアログが出る仕様です。`AGENTS.md`をプロジェクト直下に置く一般的な構成であれば影響しませんが、共有ディレクトリなど外部パスを参照する構成にしている場合は、承認フローが挟まることを見込んでおく必要があります。

編集部の見立て

「対応してほしい」という要望に対して「対応しない」で終わらせず、両立させる公式の手順まで示している点が今回の対応の特徴だと見ています。複数のAIコーディングツールを横断で使う開発者が増えるほど、ツールごとに指示ファイルを別々に書く手間は無視できなくなります。今回の整理は、その手間を「正本をどちらに置くか」という1つの判断に集約した形です。複数ツールを併用している現場は、この機会に指示ファイルの正本がどちらにあるかを一度棚卸ししておくとよさそうです。

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